キネマ旬報ベストテン 1977年
1977年・第51回
■ 日本映画
1: 幸福の黄色いハンカチ
2: 竹山ひとり旅
3: はなれ瞽女おりん
4: 八甲田山
5: 青春の門 自立篇(1977)
6: 悪魔の手毬唄(1977)
7: ねむの木の詩がきこえる
8: ボクサー(1977)
9: 突然、嵐のように
10: 遠い一本の道
■ 外国映画
1: ロッキー
2: ネットワーク
3: 鬼火(1963)
4: 自由の代償
5: 惑星ソラリス
6: スラップ・ショット
7: さすらいの航海
8: トロイアの女
9: ウディ・ガスリー わが心のふるさと
10: ローマに散る
■ 個人賞
日本映画監督賞:山田洋次 (幸福の黄色いハンカチ)
外国映画監督賞:ジョン・G・アビルドセン (ロッキー)
脚本賞:山田洋次 (幸福の黄色いハンカチ)
脚本賞:朝間義隆 (幸福の黄色いハンカチ)
主演女優賞:岩下志麻 (はなれ瞽女おりん)
主演男優賞:高倉健 (幸福の黄色いハンカチ)(八甲田山)
助演女優賞:桃井かおり(幸福の黄色いハンカチ)
助演男優賞:武田鉄矢 (幸福の黄色いハンカチ)
読者選出日本映画監督賞: 山田洋次 (幸福の黄色いハンカチ)
読者選出外国映画監督賞: ジョン・G・アビルドセン (ロッキー)
キネマ旬報ベストテン 1976年
1976年・第50回
■ 日本映画
■ 外国映画
1: タクシー・ドライバー
2: カッコーの巣の上で
3: トリュフォーの思春期
4: バリー・リンドン
5: 狼たちの午後
6: ナッシュビル
7: アデルの恋の物語
8: フェリーニの道化師
9: 愛のコリーダ
10: 大統領の陰謀
日本映画監督賞: 長谷川和彦 (青春の殺人者)
外国映画監督賞: マーティン・スコセッシ (タクシー・ドライバー)
脚本賞: 田村孟 (青春の殺人者)
主演女優賞: 原田美枝子 (青春の殺人者)(大地の子守歌)
主演男優賞: 水谷豊 (青春の殺人者)
助演女優賞: 太地喜和子 (男はつらいよ 寅次郎夕焼け小焼け)
助演男優賞: 大滝秀治 (不毛地帯)(あにいもうと)
読者選出日本映画監督賞: 市川崑 (犬神家の一族)
読者選出外国映画監督賞: ミロシュ・フォアマン (カッコーの巣の上で)
以上(KINENOTEより抜粋)
人間の証明 日米合作みたいな衝撃
人間の証明は森村誠一の同名小説の映画化で、TVコマーシャルで、「読んでから見るか、見てから読むか?」で一世を風靡した。
当時、確か読んでから見たような記憶がある。
角川映画一作目の「犬神家の一族」は東宝と組んで大ヒットしたが、製作途中でお互いに誤解もあってトラブルに発展したようだが、2作目のこの映画からは角川映画は東映をパートナーとすることになった。
ただ角川が企画で東宝映画に参加することは続いたようだ。
2019年の今年になって、出演俳優を眺めてみると、そうそうたる顔ぶれで、大作映画っぽいですね。特別出演とは言え三船敏郎も出演してました。
豊富な資金力に物を言わせて、ニューヨーク長期ロケも慣行して、まるで日米合作映画みたいですね。迫力は今一つだけれど、カーチェイスも織り込まれていて、頑張ってる感じはします。
ラストシーンは何だか???だったけれど、それだけに大いに記憶に残っています。
今回見直してみて、岩城滉一の彼女役で高沢順子が出演していました。彼女はATGの本陣殺人事件で印象的な役を演じていました。今作では出番が少なくて残念だけど。
ジャンル:ドラマ
製作国:日本 製作年:1977 公開年月日:1977/10/8 上映時間:132分
製作会社:株式会社角川春樹事務所 配給:東映
アメリカンビスタ(1:1.85) カラー/ビスタ
スタッフ
監督:佐藤純彌 脚本:松山善三 原作:森村誠一
製作:角川春樹、吉田達、サイモン・ツェー
撮影:姫田真佐久 音楽:大野雄二
助監督:葛井克亮
キャスト
岡田茉莉子、高沢順子、松田優作、鶴田浩二、三船敏郎、
ジョージ・ケネディ、ハナ肇、地井武男、夏八木勲、
長門裕之、范文雀、坂口良子、伴淳三郎、竹下景子、北林谷栄、
大滝秀治、室田日出男、深作欣二、森村誠一、今野雄二、小川宏
解説
「犬神家の一族」に次ぐ角川春樹事務所製作第二弾。舞台を日本とアメリカに据え、戦後三十年という歳月の流れをつつむさまざまな人間の生きざまを描く。脚本は一般公募で選ばれた「ふたりのイーダ」の松山善三、監督は「新幹線大爆破」の佐藤純彌、撮影は「悶絶!! どんでん返し」の姫田真佐久がそれぞれ担当。
以上(KINENOTEより抜粋)
本陣殺人事件(ATG) 横溝ブームの始まり
角川映画が東宝と組んでその第一作目を世に出したのが「犬神家の一族」。
だが、それより前に横溝作品の映像化で成功したのが、アートシアターギルドが制作した「本陣殺人事件」だ。
原作は戦後間もない設定だが、製作費の関係で現代に書き換えたらしい。
撮影も京都で行ったらしく、回想シーンで四条河原町らしく場所が出てくる。
この撮影当時は、京阪電車が地上を走っていたが、背景に走る電車の影が映り込んでいる。自分にとっては懐かしい光景だった。
音楽監督を大林宣彦が行っているが、聞いてみるとなるほど大林監督の映画を彷彿とさせる効果音などが出てくる。
ATGとしては初の興行収入1億円を超えた作品らしい。
この翌年に公開される市川崑の「犬神家の一族」よりも前に横溝ブームは始まっていたのだ。
ジャンル:サスペンス・ミステリー
製作国:日本 製作年:1975 公開年月日:1975/9/27
上映時間 :106分
製作会社 :たかばやしよういちプロ=映像京都=日本ATG
配給 :ATG
スタッフ
監督 高林陽一 脚本 高林陽一 原作 横溝正史
企画 葛井欣士郎 製作 高林輝雄、西岡善信
撮影 森田富士郎 音楽 大林宣彦
キャスト
田村高廣、高沢順子、東野孝彦、常田富士男、
村松英子、中尾彬
解説
横溝正史の同名推理小説の映画化で、地方の由緒正しい旧家で行った“密室殺人”を描いた推理映画。脚本・監督は「餓鬼草紙」の高林陽一、撮影は「子連れ狼 冥府魔道」の森田富士郎がそれぞれ担当。
以上(KINENOTEより抜粋)
犬神家の一族(1976)角川映画の時代の始まり
昔、と言っても1970年代の事で、今から50年くらい前の事になる。
一世を風靡した「角川映画」という一群の映画作品がある。
私は1960年代前半に生まれて、70年代の半ばに中学~高校生時代を迎えていた。
子供向けの映画から大人も観るジャンルの映画に興味が出てきた頃だ。
テレビで放送している映画と言えば、ハリウッド映画を中心とした洋画ばっかりだった印象があったから、そんな中で出てきた「角川映画」が、国産映画として、とても刺激的に見えた。
ブログという媒体を使うが、これから書くのは自分史でもあるので、少しずつ書きつないでいく。
時間をかけて完成させるということ。
まずは、角川映画について、自分なりの思いや考えを綴ってみよう。
「犬神家の一族」から始まった。
金田一耕助というとこの映画で石坂浩二が演じた金田一が一番印象が強い。
それだけインパクトがあった映画だった。
白いマスク姿の佐清が、正直恐ろしかった。
大野雄二のテーマ曲も懐かしい。ノスタルジックな感じのする曲で、場面が急展開する時の曲との対比で、犬神家の長い歴史の流れを感じさせる。
角川映画としての第1作目としても、邦画としても大ヒットして、この石坂・市川崑の金田一はシリーズ化されるが、角川映画としての製作はこの1作だけだ。
角川映画としては「二番煎じ」はしないとのことだったらしい。
角川文庫の横溝正史は、映画のたびに売れたらしいが、私はおどろおどろしい映画は実は苦手で、あまり読んでいない。特に表紙が怖くて。。。
ジャンル サスペンス・ミステリー
製作国 日本 製作年 1976 公開年月日 1976/11/13 上映時間 146分
製作会社 角川春樹事務所 配給 東宝 1.5.1 カラー/ビスタ
スタッフ
監督:市川崑 脚本:長田紀生、日高真也、市川崑
原作:横溝正史
製作:角川春樹、市川喜一 製作補佐:藤田光男
撮影:長谷川清 音楽:大野雄二 助監督:加藤哲郎
キャスト
石坂浩二、高峰三枝子、あおい輝彦、地井武男、
島田陽子、坂口良子
小沢栄太郎、加藤武、大滝秀治、三木のり平、横溝正史、三國連太郎
解説
名探偵金田一耕肋を主人公にした横溝正史の同名小説の映画化で、湖畔にそびえる犬神邸に次々と発生する怪奇な連続殺人事件に挑む金田一耕肋の活躍を描く。脚本は「反逆の旅」の長田紀生と日高真也、市川崑の共同、監督は「妻と女の間」の市川崑、撮影は同じ「妻と女の間」の長谷川清がそれぞれ担当。
以上(KINENOTEより抜粋)